どんな商品でも必ず「安さ」に理由があります
果たして格安を売りにする翻訳サービスの質は必ずしも良好ではないのでしょうか?
結論から言いますと、
それは安さの理由によります。
早速ですが、いくつかの安い理由について、ネタばらしをしていきましょう。
目次
1. フリーランサーと契約
安さの理由その1
「翻訳家のフリーランサーとパートナー契約を結ぶ」
要するに、お抱えの外注です。
通訳・翻訳会社が通訳や翻訳家を正社員として採用している場合、固定給や社会保険、事務所や端末機器等の経費が翻訳料金に含まれるため、どうしても高額になってしまいます。
一方、フリーランサーは必要なときに翻訳に対しての経費さえ支払えば良いため、大幅にコストを削減できます。従って翻訳会社が仲介手数料をケチらなければ、翻訳料金を大幅に下げることが可能です。
フリーランサーだからといって翻訳のクオリティが低いわけではありません。
多くの通訳・翻訳会社は、仕事を任せる前に、フリーランサーの能力を確かめるための試験を受けさせています。そのような会社の場合、翻訳料金が安くても翻訳の質はある程度保証されていると思って問題ないでしょう。
裏を返せば、多岐に渡る専門分野において、常に多言語の翻訳家を募集していて、更にパートナー契約を結ぶ前の試験を実施していない翻訳会社においては、クオリティは疑った方が良いでしょう。
2. どこぞのフリーランサーへ丸投げ
安さの理由その2
「単価の安いフリーランサーに手当たり次第に仕事を依頼」
翻訳会社のトライアル試験を受けた指定のフリーランサーに翻訳を任せるのではなく、パートナー契約を結ぶことすらせず、不特定多数のフリーランサーにランダムに依頼するという点で、前述の「お抱え外注」とは異なります。
では、どのようにして不特定多数のフリーランサーを見つけることができるのでしょうか?
実は誰でもフリーランサーとして自由に登録できるウェブサイトがあります。
いわゆるクラウドソーシングのサイトで、日本ではランサーズ、海外ではFiverr等が有名です。
仕事を依頼する側の最大の利点は、多数のサービスをピンポイントで、尚且つ格安で依頼できてしまうところでしょう。会社のロゴの作成や短いPR動画では、500円から請け負ってくれる人もいます。
そこを外注先として「とにかく安い人へと翻訳を振り分ける」ことで大幅に経費を削減できます。その結果、格安翻訳サービスを実現することが可能となります。
ただし、誰でも自由に登録できてしまうため、玉石混交といっても過言ではありません。このような場合、格安翻訳の質が低いこともあり得るでしょう。
3. 二足の草鞋を履かせて採用する
安さの理由その3
「二足の草鞋を履かせて採用する」
一体どういうことなのでしょうか?一つ例を挙げてみましょう。
シンガポールのとあるフランス語学校では、フランス語講師として通訳士・翻訳家を採用している実例があります。普段はフランス語講師でありながら、翻訳依頼があれば、インセンティブを渡す代わりに翻訳家として仕事をしてもらうという契約です。
つまり「主に塾講師、たまに翻訳家」という雇用契約です。
この場合、翻訳家としては得意な言語を教えている間に勤務先が翻訳の営業をかけてくれ、仲介手数料は抜かれるものの安定した収入と社会保障等が得られます。更に弊社のようにその翻訳家が得意な分野に特化して営業をしている場合がほとんどで、翻訳精度とスピードを保証することができます。
一方、フランス語学校側としては、語学教育という安定した収入源を持ちながら翻訳事業の拡大ができます。更に学校の生徒や保護者を通して営業活動を行うことで相乗効果が得られます。弊社の翻訳事業はこのパターンに近いです(詳しい料金表はこちら)。
通訳士・翻訳家はその言語のエキスパートであるため、外国人を雇いたい(又は雇っている)企業の人事や学校法人の職員として声を掛けられることがあります。
ある分野に精通した通訳士が、特定の企業と仕事を重ねるうち評価され、
「通訳を続けて頂いても構わないので、一緒にうちで働きませんか?」
というオファーを受けることもあり、通訳士が二足の草鞋を履くことは珍しくありません。
これらのような場合、翻訳のクオリティは間違いなく高いと思って良いでしょう。
4. 物価が安い国が拠点
安さの理由その4
「翻訳会社とその従業員が途上国を拠点としている」
具体的な例を挙げますと、弊社の通訳士が2013年に英語圏のアフリカ諸国で活動していた頃、1カ月5万円もあれば人並みの生活ができていました。2020年の今でもバングラデシュやマレーシア等の都市郊外に住めば同じような物価ではないでしょうか。
その物価の安さを武器に、価格競争で圧倒的に優位に立つことができます。英語の格安留学と称してフィリピンやインドの語学学校に送られるのと似たような方法です。
この場合、その翻訳会社の拠点が、翻訳してほしい言語を日常的に話している国であれば、翻訳の質は高いと思って良いでしょう。
5. 機械翻訳
安さの理由その5
「翻訳ソフトに翻訳してもらう」
観光案内や商品紹介などの「相手のことを考えて分かりやすく書かれた文書」であれば、翻訳ソフトの翻訳でもほとんど問題ありません。この場合、翻訳家への人件費は0円です。
翻訳会社の言うことではないかもしれませんが、
簡単な短い文章であれば無料の翻訳ソフトでもしっかり翻訳してくれます。専門用語などを含まない簡単な文章の翻訳では、有料の翻訳サービス(プロの翻訳家)を利用する必要はありません。
「翻訳会社の翻訳証明は要らないけども、一応ネイティブチェックは欲しい」
という場合は、SNSや言語学習アプリで探せば、無料で添削してくれるネイティブの人はいくらでもいるのでそちらに任せた方が良いでしょう。
翻訳業界から干されてしまうかもしれませんが、これが事実です。
専門用語を含む複雑な文章や独特な表現を使う詩などは、まだ現時点では無料の翻訳ソフトに任せられません。専門用語に対応している有料の翻訳ソフトを利用しても、最終的に翻訳家が校正する必要が出てくるでしょう。
このような場合は、有料の翻訳サービスを利用する価値は十分にあります。
故に、まずは翻訳ソフトで翻訳し、更にプロが校正をしてくれるのであれば、それが格安料金でも翻訳のクオリティは悪くないでしょう。ただし、人の校正がない場合、クオリティは低い可能性があるのでご注意下さい。
まとめ
なぜ安い?
格安の翻訳サービスのクオリティは低いのか?
以下、安さの理由とそのクオリティ。
- 翻訳家のフリーランサーとパートナー契約を結ぶ
→クオリティはOK
- 単価の安いフリーランサーに手当たり次第に仕事を依頼
→クオリティは怪しい
- 翻訳家に二足の草鞋を履かせて採用する
→クオリティはOK
- 翻訳会社とその従業員が途上国を拠点としている
→その拠点の公用語による
- 翻訳ソフトに翻訳してもらう
→簡単な文書は無料の翻訳ソフトで十分
→校正ありの場合はOK
→校正なしの場合はNG
以上、格安翻訳の理由とそのクオリティについてでした。
弊社の翻訳サービスについてはこちらをご覧下さい。